- 放射線物理科 -
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放射線物理科は理工系出身者が所属しています。ほとんどの病院ではこのようなセクションは無いでしょう。巨大な最先端の放射線発生装置を有する粒子線治療施設だからこそ必要なセクションです。物理の専門知識を生かし、治療計画作成、治療の品質管理、装置の保守管理、研究開発などの業務を担当しています。
治療の仕方は患者さんそれぞれで違います。患者さんのCT画像を基にコンピュータでシミュレーションを行いどのように治療するかを決めます。これが治療計画です。医師・放射線技師と協力し医学物理士の観点から計画作成を行っています。
治療計画作業中
最先端の治療を提供するために、治療の品質はチェックされるべきです。治療計画で決定されたパラメータに問題が無いかどうかをチェックします。またメーカの運転技術員による測定を行い問題がないことを確認します。治療に使われる器具(ボーラスなど)は三次元測定器を使い検査します。これらの作業のために治療計画が出来てから治療開始まで患者さんには3日ほど待ってもらうことになります。
運転技術員による測定
粒子線治療装置は10万点以上の部品から出来ています。各部品が10年の寿命を持っている(10年に1度壊れる)と仮定すると約1時間に1点の部品が壊れることになります。もちろん10年以上の寿命を持つ部品がほとんどなのでそんなことは起きませんが、軽度なものを含めると結構な頻度でトラブルは発生します。その改修や保守をメーカである三菱電機が行います。改修ミスや保守に問題がないことを確認し、またトラブルが迅速に解決されるよう管理を行っています。
10万点以上の部品からなる粒子線治療装置の一部
最先端の粒子線治療装置も治療を始めて10年以上が経過しました。その間に様々な技術が世界中で開発されてきています。今後の10年においても最先端を維持し続けるために、装置の更なるアップグレードを目指して研究開発を行っています。