- 放射線技術科 -
兵庫県立粒子線医療センタートップページ > 部門紹介 > 放射線技術科
目標を持ち日々精進すること
安全で良質な医療を提供できるように努めること
【理念】
放射線の専門職として医療被ばくの適正化に努め、安心安全なチーム医療を推進します。
「みんな笑顔に!」
【基本方針】
1. 患者さんと共にチーム医療の一躍を担い、専門分野の責務を全うします
2. 自己研鑽に励み、安全を担保した高度で良質な画像診断と放射線治療を提供します
3. 高額医療機器の適正な使用と精度 管理に努め病院運営に貢献します
診療放射線技師14名
放射線治療専門技師4名
放射線治療品質管理士…3名
医学物理士…2名
第1種放射線取扱主任者…8名 *重複有り
上記スタッフ以外にも様々な施設からの研修生、大学院生もおります
当センターではCT装置として東芝製Aquilion LBを使用しています。このCT装置を使用して診断用CT検査をすることも可能ですが、当センターでは粒子線治療を行う際の治療計画用CT検査を行うことが最大の目的となります。診断用CT検査では検査したい臓器に合わせて撮影範囲を絞ることが可能であるのに対して、治療計画用CT検査では治療を受ける際と同じ体位で尚且つ撮像範囲も身体の輪郭が全て入るように広げる必要があります。つまり治療計画用CT検査を行うCT装置では、CT検査を受けるときに通る穴(ガントリー直径)が大きいことが望まれます。Aquilion LBは、このガントリー直径が900mmと大きな開口径であることが大きな特徴であり、粒子線治療で用いる固定具を装着した状態であっても容易に撮影することが可能であり、様々な治療体位に対応した検査が出来ます。
また、CT装置の寝台に取り付けられている天板についても特徴があり、診断で使用されている天板よりも硬く平らのものになっています。粒子線治療で用いる固定具を装着した状態で検査を行うために硬く平らな天板を用いていますが、固定具を装着することで身体の位置が毎回同じ位置になり、身体の動きについても抑制されるため、より精度の高い治療を行うことが可能となります。
PHILIPS社製Ingenia1.5T 1台
MRIとはMagnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)の略語で、磁気と電波を利用して、あらゆる断面の画像を得ることができる撮影方法です。MR画像とCT画像はよく似ていますが、MRI検査はCT検査のようにX線による被ばくがなく低侵襲性であり、病変部と正常組織のコントラストが良好な画像が得られます。検査時は仰向けでトンネルの様な装置に入っていただきますが、治療の部位によってはうつ伏せでの検査も行います。そのため検査時間は30分~1時間程度かかります。また、必要に応じて造影剤と呼ばれる薬を注射して検査を行うことがあります。
注意事項
MRI検査室は常に強い磁場が発生しています。磁石にひきつけられたり、破損のおそれがあるもの、画像に影響するものについて検査前にスタッフがチェックし、あらかじめ取り外して頂きます。
以下の方はMRI検査を受けることができない場合がありますので、事前にスタッフにお知らせください。
検査室に持ち込めないもの
血管造影検査は足の付け根や肘の太い血管に針を刺し、そこからカテーテルと呼ばれる2mm程度の医療用の管を通し、造影剤を注入しながら連続的にX線撮影を行い、カテーテルを目的とする臓器の近くの血管まで進めていく検査です。また、この検査では画像の処理により血管のみの画像を撮影することが可能であり、細かな血管まで撮影することができるため、正確に腫瘍の近くまでカテーテルを進めることができます。当センターでは粒子線治療時の位置合わせのための金属マーカーの腫瘍近くの血管内への留置や、持続的に抗がん剤を腫瘍に投与するめのリザーバーと呼ばれる小さな器具の留置、腫瘍を栄養する血管から抗がん剤を注入した後、その血管を塞栓するTACEと呼ばれる治療などを行っています。
また、当センターでは同じ検査室内に血管造影装置とCT装置が設置された東芝社製のAngio-CTを導入しています。これによりCTの撮影が必要になった場合には検査室を移動することなくCTの撮影が可能であり、腫瘍の位置やカテーテルの位置、金属マーカーの位置を安全に正しく把握することができます。
胸部、腹部、骨盤、四肢等を主とした撮影を行っています。一般撮影は身体を透過したX線の吸収差を利用してフィルム等にその画像を映し出すもので、すべての画像診断の基本となる検査です。当センターでは平成26年3月にFPD(Flat panel detector)装置を導入しました。FPD装置はX線をデジタル信号に変換し画像化するシステムであり、被ばく量の低減、高画質な画像の撮影、撮影時間の短縮が可能です。
(注意事項)
撮影範囲内に金属等(アクセサリー、湿布、カイロ、エレキバン)があると診断の妨げとなることがありますので必ず取り外してください。
治療棟には受付、待合ロビー、更衣室、そしてシンクロトロンと呼ばれる大型の加速器で加速されたビームが届けられる5つの治療室があります(装置の詳細はこちら)。治療室は固定45度のA室、固定水平、垂直の2方向のB室、固定水平のみのC室、任意の角度からの照射が可能なG1室、G2室の5部屋で構成されており、それぞれ目的に応じて使い分けています。部屋により出せるビームが制限されているため、炭素線の治療はA室、B室、C室、陽子線の治療は主にB室およびG1室、G2室で行います。治療部位ごとに使うビームの種類も異なり、頭頸部は炭素線、前立腺は陽子線、その他の部位はカンファレンスで検討しどちらかよいビームが選択されます。より多くの方に治療を提供できるよう効率化を図り、午前中は主に陽子線、午後は主に炭素線を使った治療を行っています。
「体の中で止まる」という粒子線の長所を生かすため、正面と側面のkV-X線を用いた位置決め、呼吸同期照射、治療前の絶食や蓄尿等の処置など、毎日同じ状態で治療できるように工夫しています。また、粒子線治療の装置は大型で大変複雑な構造をしているため、点検や定期的なメンテナンスを欠かさず、安全で安定した治療が行えるよう日々努力しています。