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調査1 どんな口腔内トラブルが起こるの?(口腔内粘膜炎)

フロー図

口腔内粘膜炎(口内炎)

粒子線治療を受ける患者の口に発生する副作用の中で、最も頻度が高いのが口腔粘膜炎です。 頬やくちびるの内側の粘膜が炎症を起こし、粘膜がはれたりする症状をいいます。 ひどくなると、のどの方まで広がる、出血する、痛みも強くなるなどして、 食欲がなくなり、体重が減り、全身の抵抗力が低下した状態になります。 口腔内を照射部位として粒子線治療を受ける頭頸部がん患者さんの場合、 粘膜が部分的にはれたり、潰瘍ができることがあります。 このような症状の患者さんにもしっかり食べていただける食事を工夫することが、 一日も早い回復のために大変重要です。

患者さんの口内を実際に見て、粘膜炎の状態を調べました。

グラフ:粘膜炎の状態を調べました。

縦軸の数値=口腔粘膜炎の程度

0 正常
1 紅斑(赤い斑点)ができる
2 斑状の潰瘍(穴があく)、または偽膜(炎症部分が薄い膜のようなもので覆われて見える) 3 融合した潰瘍、または偽膜。わずかな外傷で出血する。
4 組織の壊死。顕著な自然出血。生命を脅かす。

横軸の単位 GyE=グレイ・エクイバレント=臨床線量

吸収線量に生物学的効果比という値を掛けたもの。

粒子線治療では、症状に応じた強度の粒子線を何回にも分けて照射します。 治療が進むにつれGyEは増加し、ほとんどの患者さんは60GyE程度を経験します。 つまり、治療の経過とともに、どのような変化が見られるかを調べています。

SD=標準偏差

データのばらつきを表す数値。SDが小さいほど、平均値とのばらつきの度合いが小さいことを示します。

粒子線治療では出血まで起こることは少ない

粒子線・X線ともに、吸収量が増えるにつれ、口腔粘膜炎の症状も重くなっていきます。
しかし全体を通して、粒子線はX線に比べて軽度です。
X線では50GyE以上では出血をともなうほど悪化します。

出典:
Ogama, N., Suzuki, S., Adverse effects and appetite suppression associated with particle beam therapy in patients with head and neck cancer. Japan Journal of Nursing Science, 9(1),P28-P37, 2012.
Ogama, N., Suzuki, S., Umeshita, K., Kobayashi, T., Kaneko, S., Kato, S., Shimizu, Y.
Appetite and adverse effects associated with radiation therapy in patients with head and neck cancer. European Journal of Oncology Nursing, 13(6), P257-268, 2010.

 

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調査1~3

調査1 どんな口腔内トラブルが起こるの?
調査2 口腔内トラブルと食事の関係は?
調査3 どんな食事がいいの?

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