治療できるがん

膵がん

粒子線治療の適応となるのは、局所的ながんの進行によって手術による切除が困難であるものの、遠隔転移がない状態の「切除不能局所進行膵がん」です。粒子線治療は切除の効果には及びませんので、切除が可能と判断されている場合には適応になりません。また、遠隔転移（腹膜や肝臓、肺、骨など）が存在する場合には粒子線治療のような局所的な治療の有効性は少ないため適応となりません。
膵臓は胃や小腸（特に十二指腸）などの消化管に接しているため、必ずしも十分な粒子線治療ができるわけではありません。当センターでは粒子線治療の効果不足分を補うため、化学療法（抗がん剤治療）の同時併用療法を原則としています。また、粒子線治療終了後も化学療法を継続しなければなりませんので、かかりつけ医での化学療法が可能かどうかの確認が必要となる場合があります。

粒子線治療前の準備

金属マーカー留置（必要でない場合もありますので、受診時に判断を行います）

線種・線量分割

化学療法の同時併用が原則（ゲムシタビンもしくはTS-1）

当センターでの治療成績・治療例

可能性のある有害事象

急性期（照射中～照射後3ヶ月）：消化管粘膜炎（びらんや潰瘍、腹痛や食欲不振）など、皮膚炎（発赤や湿疹、かゆみや痛み）併用する化学療法による有害事象（血球減少や嘔気・倦怠感など）
晩期（照射から3ヶ月以降）：皮膚の色素沈着、消化管粘膜炎（びらんや潰瘍、狭窄、腹痛や食欲不振）

※上記すべての有害事象が起こるわけではありません。発生頻度も腫瘍の部位やサイズによって大きく異なります。詳しくは受診時に担当医からご説明いたします。

紹介される先生へのお願い

• 紹介方法をご参照の上、ご紹介をお願いします。
• 上記適格条件以外でも臨床的に局所治療の意義があると判断される場合には粒子線治療の治療対象となりうる場合がありますので、当センターにお問い合わせください。
• 照射前・後に関わらず、胆道金属ステント留置例においては重篤な有害事象（胆道破裂）を生じる場合がありますので金属ステントは適応外としています。閉塞性黄疸に対しては極力プラスティックステントでの対応をお願い致します。
• 当センターでの治療中に閉塞性黄疸を来した場合や、すでに留置されているステントが閉塞した場合などには、当センターの連携病院にて処置致します。ただ場合によっては紹介元病院での対応をお願いせざるを得ない場合がありますのでご了承ください。
• 当センターは単科病院であり、立地・通院距離の問題もありますので、粒子線治療後の化学療法の継続は紹介元病院にお願いしております。治療効果判定や有害事象のフォローを含め、当センターでも連携して診療致しますのでご了承ください。

粒子線治療患者紹介FAX用紙

膵がん　チェック項目・検査項目

• Word型式
• PDF型式

治療できるがん

• 頭蓋底腫瘍
• 頭頸部がん
• 肺がん
• 中枢型肺腫瘍/縦隔腫瘍
• 肝細胞がん
• 肝内胆管がん
• 肝外胆管がん
• 膵がん
• 前立腺がん
• 直腸癌術後骨盤内再発
• 骨軟部腫瘍
• 単発の転移性腫瘍
• 小児がん
• その他（食道がん、腎がん等）