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兵庫県立粒子線医療センター

ニュースレターNo.1
November 1996


CONTENTS

ニュースレター目次

1.知事あいさつ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1


2.粒子線治療とは
(1) 放射線治療の一種類 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
(2) 他の放射線治療との比較 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3
(3) 粒子線治療の現状 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
【1】 陽子線治療 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
【2】 重粒子線治療 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
(4) 世界の粒子線治療施設 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3

3.県立粒子線治療センター(仮称)の概要
(1) 特徴 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4
(2) 治療方針 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4
(3) 建設地 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4
(4) 設置運営 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4
(5) 施設内容 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4
(6) 治療人員 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4

(参 考) 県立粒子線治療センター(仮称)イメージ図‥‥‥‥‥‥‥‥ 5
建設地位置図‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6

4.あとがき
(1) ニュースレターの発行について ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 7
(2) インターネット・ホームページの解説について‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7
(3) FAX等連絡用紙について ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 7

FAX等連絡用紙‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8


1.知事あいさつ

 わが国は、いまや世界一の長寿国となりましたが、その一方で、がんや心臓病、脳卒中などに代表される成人病が増加の一途をたどっています。なかでも、15年間にわたって、わが国の死亡原因の第1位を占めている『がん』対策は大きな社会的課題です。

このようななかにあって、兵庫県では、昭和62年度から「ひょうご対がん戦略」のもと先導的な総合対策を積極的に展開しています。こうした取り組みをさらに充実していくため、今回、自治体初の粒子線による治療施設「県立粒子線治療センター(仮称)」の建 設に着手し、平成12年度の完成をめざしています。

いま単にがんを治癒させるだけでなく、その後の生活や人間としての尊厳に重点が求められているなか、この粒子線治療は、治療効果に加え、機能保持やQOLの面からも優れたものといわれています。さらに、県立粒子線治療センター(仮称)を整備する播磨科学公園都市では、大型放射光施設(SPring−8)が平成9年度から供用開始される予定であり、この“魔法の光”は、がんの診断など医学分野への応用開発にも大きな成果をあげることでしょう。

世界に誇る大型放射光施設、さらに西日本唯一の粒子線治療施設が結びつくことにより、がんの早期発見とその画期的な治療が実現するものと期待は高まりますが、これら施設を活用し、粒子線治療が適応となる患者を治療していくためには、県内外の医療機関の皆様方との連携が不可欠です。
このため、粒子線治療の適応や治療のプロトコール、患者の紹介方法など各種の情報を紹介するニュースレターを新たに創刊しました。このニュースレターが広く医療機関とのかけ橋となり、がん克服に向けての一助となれば幸いです。

兵庫県知事 貝原 俊民

1

2.粒子線治療とは


(1) 放射線治療の一種類
ウィルヘルム・レントゲンにより放射線が発見されてから101年。放射線は医療分野 の利用として、胃透視やがん治療などに使われてきた。
がん治療に利用する放射線は、大きく光子線と粒子線の2つに分けられる。光子線と、光の波であり、X線、ガンマ線がこれにあたる。粒子線はその名のとおり、中性子、水素の原子核等の粒子を利用した放射線で、速中性子線、陽子線、重粒子線等 がある。そのうち特に陽子線と重粒子線を用いた治療を「粒子線治療」と呼んでいる。
  
光子線  エックス線、ガンマ線(コバルト)
粒子線  電子線、陽子線、重粒子線

 (2) 他の放射線治療との比較
X線、ガンマ線、速中性子線で、病巣に身体の外から照射治療を行うと、図のように身体表面に近いところに多くの放射線が照射され、病巣のところでは減弱する。これに対して粒子線は、停止寸前において放射線量がピークになる特性(ブラッグ・ピーク)をもっており、エネルギーなどの調整により、そのピークをがん病巣に合わせることができる。また、がん病巣より深いところには達しないので、がん病巣の後方の正常な組織には照射されず、照射するエネルギーを変えることにより種々の深さのがんに対応できる。さらに炭素等の粒子を利用した重粒子線は、X線、ガンマ線では効かない頑固ながんにも効果がある。
これらのことから、粒子線治療は、正常組織の障害が少なく、治療効果が高い、今までにないすばらしい治療法であり、“魔法のメス”と呼ばれている。
他の放射線治療との比較

2


(3) 粒子線治療の現状

【1】 陽子線治療
陽子線治療は、欧米に多い眼の小さいがんであるメラノーマ(悪性黒色腫)に対して、眼を摘出せずに治療 することで成果を上げて注目された。すでに世界で1万6千例を越える症例があり、アメリカのロマリンダ大学では医用専門施設で治療が行われている。
日本では、筑波大学陽子線医学利用研究センターにおいて、日本人に多い肝臓などの深部のがんへの臨床研究が続けられているほか、平成7年度には国立がんセンター東病院(千葉県柏市)に陽子線治療装置の導入が決定され、現在、整備が進められている。
【2】 重粒子線治療
科学技術庁放射線医学総合研究所(千葉県千葉市)の重粒子線治療装置(HIMAC)により、平成6年6月から臨床研究が開始され、他の治療法では高い治癒が見込めなかった多数の症例について、腫瘍の縮小や症状の改善が見込まれるなど、これまでのところ予想通りの効果を上げている。
世界地図

(4) 世界の粒子線治療施設

 現在、稼働中の粒子線治療施設は世界中で17施設(米国 4・カナダ 1・ロシ ア3・スウェーデン 1・スイス 1・ベルギー 1・フランス 2・英国 1・南アフリカ 1・日本 2)。
日本の2施設は筑波大学(茨城県)と放射線医学総合研究所(千葉市)です。また、現在、国立がんセンター東病院(千葉県柏市)で建設されています。

3


3.県立粒子線治療センター(仮称)の概要

(1) 特 徴
がんはあらゆる部位に発生すること、また、がんの種類、形状などを適切に把握して治療方針を決定する必要があることから、がん治療に対する総合的な機能を有する。県立成人病センターや同様の機能を有する各地の大学病院やがんセンターとの連携を図り、粒子線治療適応と判断された人に対して照射治療を行う。
(2) 治療方針
筑波大学陽子線医学利用研究センターや放射線医学総合研究所での臨床研究の成果を踏まえ、陽子線及び重粒子線(炭素)のそれぞれの特色を生かした治療を行うとともに、他の治療法との集学的治療を行い、治療効果の向上を目指す。
【1】 陽子線については、供用開始後ただちに肺がんや肝がんの臨床治療を行う。
【2】 重粒子線(炭素)については、他の治療法では治癒の困難な小さい腫瘍を対象とした臨床研究を開始し、早期に治療への移行を目指す。
(3) 完成予定時期
平成12年度末
(4) 建設地
 SPring−8の建設が進む播磨科学公園都市第1工区内の研究開発・産業用地(揖保郡新宮町内)に建設する。
(5) 設置・運営
 県立・県営(病院事業会計)とし、治療費については、当面、自由診療で患者負担を原則として運営する。
(6) 施設内容
照射治療を行う照射治療棟と50床の入院機能を持つ病院棟を一体的に整備する。
照射室構成:回転ガントリー2室、水平2室(内1室開発用)、水平・垂直1室 、45°1室
(7) 治療人員
年間1,200人の治療を目指す。

4




県立粒子線治療センター
5





建 設 地
(建 設 地)
姫路の北西に位置する播磨科学公園都市は、新宮町、上郡町、三日月町の3町にまたがる新都市で、標高250m〜350mの緑豊かな丘陵地を舞台に、優れた先端産業、学術研究機能、快適な居住環境など、産・学・住・遊の各機能が一体的に整備された国際的な科学公園都市の形成を目指し、建設が進められています。もより駅はJR相生駅で、バス又は車で約30分かかります。

6


4.あとがき

(1) ニュースレターの発行について
 近畿・中四国で現在、放射線治療を行っている施設と粒子線施設に関心をお持ちの諸先生に、兵庫県粒子線治療施設の進捗状況や、どのような疾患が粒子線治療に適しているなど粒子線治療に関する情報をお知らせするべく、兵庫県立粒子線治療センター(仮称)ニュースレターを年3回(3月・7月・11月)発行し、お手元にお届けすることにしました。
(2) インターネット・ホームページの開設について
インターネットのホームページを開設し、次により案内をしています。
 ホームページ  http://www.hibmc.shingu.hyogo.jp
(3) FAX等連絡用紙
 ニュースレターの送付先に変更がある場合、次のページのFAX等連絡用紙で連絡下さい。また、新しくニュースレターを希望される場合や質問のある場合もこの用紙でお願いします。

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県立粒子線医療センター ニュースレターFAX等連絡用紙

所  属                 


氏  名                 

1.ニュースレターの送付先の変更

区   分

変 更 前

変 更 後

住  所

所  属
   
お 名 前
   

2.質問等

8
兵庫県立粒子線医療センター