兵庫県立粒子線医療センター
ニュースレターNo.10
February 2000
CONTENTS
I 整備状況報告
II 学会報告
III 研修記
IV 最新治療情報
V トピックス
I 整備状況報告
県立粒子線治療センター(仮称) 病院棟の建設に着手
- 県立粒子線治療センター(仮称)では、昨年7月末の照射治療棟竣工以来、粒子線治療装置の搬入・据え付けを本格的に行っていますが、この度、治療を支援する入院、検査及び診療等の部門で構成される病院棟の建設に着手しましたので、病院棟の概要についてご紹介します。
- 粒子線治療センター(仮称)は、
【1】患者主体の設計(病院の診療活動における機能性を満たしながらも、日常生活空間としての居住性の向上をめざす。)
【2】温もりの感じる施設(施設創りにおいて一般の公共建築に比べて、温もりの感じられる建築とする。)
- を設計のコンセプトとして、平成11年11月4日に安全祈願祭を行い、病院棟の工事に着手しました。
- 病院棟は玄関ホール周りで患者及び病院職員が共に語らい、ミニコンサートなども催せるよう、ゆとりある空間を確保し、また、患者の日常空間でもある病棟は、すべての部屋が外部に面し、屋外の中庭や自然がのぞめ、「やすらぎ」と「くつろぎ」を感じられるようにしています。
- 病院棟部分の主要な部門である診療、病室、アメニティー施設は次のとおりです。
1.診療部門
(1) くつろぎを感じさせる施設
暖かみとくつろぎを感じる内装
(2) 待合い空間の充実
中庭に面した明るく開放的な空間
(3) 機能的な部屋配置
患者に使いやすく、医療スタッフに働き易い配置
2.病 室
(1) プライバシーに配慮した4床室
隣接しない4つのベッド
(2) 付帯設備の向上
すべての病室に洗面とトイレを設置
(3) 外部との接続
周辺の緑豊かな自然に容易に親しめるよう各ベッドごとに窓を設置
(4) 居住性向上のための仕上げ材
床面に抗菌性のタイルカーペット等を使用
3.アメニティー施設
(1) ラウンジ
パーティーやミニコンサートなどのイベントにも対応
(2) 散策路
建物の周りの自然を活かした散策路
(3) 軽スポーツ
散策路を利用したジョギング、テニスコートの設置
- 《病院棟》
構造・面積 RC2F 4,500u
主な諸室 50床の病室、診察室、検査室、 薬剤室、食堂、事務室等
- (病院棟建設スケジュール)
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平成11年11月
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平成12年1月
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2月 5月
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7月 11月
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本体工事 |
○←――――――――――――――――――――――――――――――→○ |
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着工 |
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地上躯体工事 |
設備工事・内装仕上げ竣工 |
外構工事 |
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○←―――――――――――――→○ |
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着工 |
植栽 |
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ビーム調整試験はじまる
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県立病院局経営課(県立粒子線治療センター整備室) 須 賀 大 作
- 平成11年12月16日、いよいよ入射系でのビーム調整作業が始まった。本施設では、「放射線発生装置の使用に係わる許可申請」を第1次申請(線形加速器)、第2次申請(シンクロトロンから照射室まで)の2段階で申請をおこなった。これまでの経緯を表(1)に示す。
- 重粒子線治療装置では、HIMACに続き2例目の顧問会議審査事項として扱われた。顧問会議は、東北大学教授、中村尚司先生を委員長とする学識経験者で構成された機関である。専門家の立場から申請書の内容を審査された。審査は顧問会議の場だけでなく、委員から随時コメントが示され、兵庫県から回答するという作業をくり返した。
- 平成11年8月25日に線形加速器室の使用許可を受け、11月11日に施設検査を受けた。施設検査にクリアしなければ、調整作業に進めないため、三菱電機との打ち合わせをくり返し、自主検査資料を作成した。
施設検査当日は、自主検査資料の確認、放射線遮へいに関わる建屋確認を午前中に実施し、午後よりインターロック機能を、ビームが出射されている状態を模擬的に作って機能を確認した。
- (ビーム調整試験がはじまった線形加速器)
- 本装置のインターロックのコンセプトは、ビーム停止に至る条件が成立した時、条件が発生した場所の直上流(イオン源側)でビームを停止する。直上流でビームを停止できない場合は、さらに上流でビームを遮断する方式で、人と装置の安全を確保する方式を採用している。幾度となくくり返した動作試験ではあるが、正常に動作するたびにホッ
とするという緊張感の中、検査は終日をかけて実施された。
- 検査の総評では、施設のできばえについて高い評価をいただいた。ただし、ビームの週間出射量を管理する方式において課題が生じた。医用リニアックではビームオンの時間管理となっているが、粒子線治療装置のように複合加速器で構成される装置では、時間管理での運転条件は非常に厳しい管理であるため、ビーム損失電流値と時間の積、積算電流値で申請をおこなった。この時に、各イオン源(炭素、陽子、ヘリウム)からの電流であることを判定し、カウン
トして積算計へ送信するロジックで、実際に電流を流してシステムを検証することができなかったため、1週間後に再試験を受け、全ての施設検査項目を終了した。
- 12月16日、入射系のビーム調整を開始したが、1年をかけて科学技術庁の審査を経てきたことになる。科学技術庁の技官より「実際に使用を始めれば施設の責任になる。どのように運用していくかが一番大事なこと。」と指導を受けた。折しもJCOの被ばく事故が発生し、申請した内容を遵守して運用していく事が、いかに大切かを知ることになった。
- ビーム調整は、イオン源からFCN4(ファラデーカップ)からFCN5へ、線形加速器の終端であるFCN6まで、順次ビームが導入されていく作業となる。最下流の照射室まで無事にビームがたどり着く日が待ち遠しい限りである。
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☆第1次申請(線形加速器) |
平成11年1月18日照射室) |
第1回顧問会議(線形加速器室) |
平成11年2月15日 科学技術庁会議室(東京) |
第2回顧問会議(線形加速器室) |
平成11年3月16日 科学技術庁会議室(東京) |
許可証の交付 使第4864号 |
平成11年8月25日照射室) |
☆第2次申請(シンクロトロン-照射室) |
平成11年10月2日 |
第3回顧問会議(シンクロトロン-照射室) |
平成11年11月8日 粒子線治療センター(現地) |
線形加速器施設検査射室) |
平成11年11月11日室) |
調整作業の許可(線形加速器室) |
平成11年12月2日室) |
第4回顧問会議(シンクロトロン-照射室) |
平成11年12月10日 科学技術庁会議室(東京) |
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II 学会報告
第41回米国放射線腫瘍学会(ASTRO)に参加して
-
兵庫県立成人病センター
放射線科 医長 広 田 佐 栄 子
-
平成11年10月31日から11月4日まで米国テキサス州サンアントニオにて第41回米国放射線腫瘍学会(ASTRO)が開催されました。今年から国際会員(International
member)となったのを機に初めて参加させていただきました。
洒落たオープンテラスカフェやレストランの立ち並ぶ「River Walk」
○風光明媚なサンアントニオ
サンアントニオは、日本人観光客こそ少ないのですが、アメリカの観光地の中で毎年ベスト10に選ばれる風光明媚な土地で、誇り高きテキサス州の人々、いや全米の人々の、自由と独立の精神的シンボルであるアラモの砦があることで有名です。しかしコンパクトな観光地で半日もあれば主だったところは見て回れるため、観光に余り気がちることなく学会に集中できて丁度良いといったところでしょうか。
有名なアラモの砦
○過去最高8,000人の参加者
学会そのものは年々大きくなっているようで、今年は機器展示関係者を含めて約8000人という過去最高の参加者であったとのことです。
学会のハイライトの一つPresident's categorical courseの今年のテーマは"Physical
methods to improve dosedistribution and therapeutic gain"で、一言でいえば線量集中性に優れる様々な新しい放線治療計画法をめぐる話題ということになります。
その中で私の興味をひいたのはModern treatmentdelivery options というセッションの中の
ProtonIMRTという講演でした。演者はGerman Cancer Research CenterのDr. Bortfeldで、まず過去の米国および欧州放射線腫瘍学会での以下のような議論を受けるような形で講演は始まりました。即ち、最近のIMRTとよばれるようなハイテクを駆使したphoton
therapy(リニアックやテレコバルトなどで使われている X線、即ち光子治療)の線量集中性はproton
therapy並にすばらしく、何も馬鹿高いコストをかけてproton therapyをはじめとする粒子線治療をすることはないという議論があったが果たして本当にそうだろうか、と。彼は、ハイテクphotonの代表であるIMRT(これをprotonによるIMRTと区別してIMXTと命名)、従来のproton
therapy、protonによるIMRT(IMRTのテクニックをprotonに応用、IMXTと区別してIMPT)の三者の実際の患者における線量分布の比較をいくつも提示してみせてくれましたが、IMPTの優位性は一目瞭然で、その線量分布のすばらしさは感動的でさえありました。
- どの症例も印象的でしたが、たとえばリンパ節領域にのみ放射線を集中させ小腸には全く当たらない骨盤部照射や、椎体より腹側には全くあたらないmedulloblastomaの全脊髄照射(medulloblastomaの治療は頭蓋や全脊髄を含むため大変照射容積が大きく、更に化学療法が併用されることが多いので、その副作用対策には大変苦慮するが、protonによる照射容積の減少は副作用の軽減に大きく貢献することが期待される)など、思わず唸らずにはおれない症例を見せられ、もうphoton
therapyは不要なのではないかという気にさえなってしまいました。
翌日のprotonに関するRefresher course(再教育のためのlecture)も、もっぱらIMPTの話題が中心でしたが、印象的であったのは米国の放射線治療界の大御所、MGHのDr.
Suitの次のような言葉でした。すなわち、「今までの放射線治療の歴史を振り返ってみると、新しい手段が登場すると必ずそれに反対する声があがってきた。たとえば、Co60による治療が登場した1960年代のはじめ、それまでの250KVの治療で十分でCo60による治療などいらないとNCIがコメントを出したのを私は今でもはっきり覚えている。しかし結局はより優れた治療法が、旧式の治療法を駆逐してしまうものだ。」、と。常に問題になるコストについても、photon
therapyは初期投資費と維持費こそprotonに比較して遙かに安価であるものの、ハイテクになればなるほど手間暇(結局は人件費に反映される)が相当かかり、むしろ全体としてみればこちらの方が利いてくるので、実はハイテクphotonとハイテクprotonのコストの差は思ったほど大きいものでなく、またその差もprotonを使用するmeritに十分見合うものだともコメントされていました。
- 私自身は、こういった話を聞くまでは将来的にphoton therapyとproton therapyは共存する形で続いていくだろうと思っていましたが、ひょっとすると、orthovoltage
therapyがCo60治療にとってかわられ、更にリニアックにとってかわられたように、photon therapyはそう遠くない将来、proton
therapyにとってかわられる運命にあるかもしれないという漠然とした思いにかられたのも事実です。
○機器展示も盛況
こういったアカデミックなレクチャーとは別の意味で機器展示もなかなか興味深いものでした。
米国の学会とは銘打ってはいるものの実際にはアジア・オセアニアやヨーロッパの各国から多くの医師や技師、物理士などがこの会に参加しているわけですから、この機器展示は事実上世界というマーケットを相手に開かれているといっても過言ではありません。
そのことは今回特に、International first attendee programやInternational
poster viewingなどの米国外からの参加者を意識した企画を新たに設けたり、演題の採択率を上げて米国外からの参加を広く呼びかけたりしたことからもそのことが伺われました。
機器展示会場
- 実際、今回の学会のexhibition feeによる収入は210万ドルを越え、学会の総資産がなんと1000万ドル!を越えたというのですから、大変な驚きです。
- アカデミックな表の顔の陰にちらちらと見え隠れするアメリカの経済戦略を感じ取ったのは私だけでしょうか?さてその機器展示ですが、私が少々(というか、かなり)がっかりしたのが、唯一出展していた日本の某企業でした。
- ブースが少々手狭であったのは致し方ないとしても、パネルを3枚ほど張り付けただけのなんの魅力も意欲も感じられないそのpresentationのやり方はもう少し何とかならなかったのでしょうか。
- なにはともあれ色々な側面をみることができ、また着実な放射線腫瘍学を実感できた学会でした。
-
III 研修記
国立がんセンター東病院研修記
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健康福祉部県立病院局経営課(県立粒子線治療センター整備室)
井 田 亮 二 ・ 清 水 勝 一
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- 平成11年5月から放射線医学総合研究所で2ヶ月間の研修を行い、重粒子線治療をはじめて学んだ。今回10月から1ヶ月間、国立がんセンター東病院で陽子線治療を研修することができた。
国立がんセンター東病院は、陽子線治療を唯一病院として機能させている施設である。病院棟、陽子線治療棟、緩和ケア病棟、研究棟があり、がん医療と研究が総合的に行われている。
施設に到着すると陽子線治療担当の沼野技師から病院棟を含め紹介説明をしていただいた。研修生の受け入れ体制が整っており、スタッフは親切でありスムーズに研修に入ることができ感謝しています。また、われわれの施設が完成したときには同様に研修を受け入れる体制を整えたいと考える。
- 陽子線治療棟は、将来のフル稼働に向け、受け付け、待合い、診察、CT、MR、治療計画、固定具作成、ボーラス・コリメータ作成、ネットワーク、会議室等すべて棟内に設備されている。病院施設であるため兵庫県のシステムと対比して考えることができ大変参考になり、また実感も沸いてきた。運用面でわれわれの施設を順調に稼働させるためには、ということを念頭に置き研修した。

まず、ガントリー内部のその広さ、そしてサイクロトロンの省スペース性に驚いた。ガントリー室にキャタピラを用いた壁を採用し常に床部分は平らになる方式で圧迫感がなく患者視線での設計が伺え
た。加速器サイドは、直径3m、高さ2m程のサイクロトロンとあとはビーム輸送系になりマグネット群も炭素線用に比べ小さく設置、維持、コストからは、陽子線有利であり、逆に炭素線治療で成果をださねばならない責務を感じた。
治療を行うにあたって技師2名、物理2名、運転員1名は同室でビーム形状、呼吸同期、機器動作等のチェックをチームで検討している。問題点、改良点があれば駐在メーカーがすぐに対応するという理想的な形をとっている。週1回催されるメーカとの連絡会にも参加させていただいた。それぞれのスタッフが今何に取り組みどう考えているか、今後の治療予定、測定予定、結果等の連絡打ち合わせの場である。われわれの施設は、加速器運転サイドと分離された構造になっていることもあり、こういった打ち合わせを催していくことになるだろう。日々の治療に参加させていただき、ビーム調整、測定の占める割合の多さに驚いた。
現在国立がんセンター東病院では、この割合を如何に少なくするかを課題として取り組んでいた。位置決めはサブトラクション法を用いすばやく行うことができるシステムになっている。兵庫県もこの方法を採用したい。
治療計画CTでは、ヘリカルを同時に撮影し鮮明なDRRを作成している。そのため治療計画で作成されたアイソセンター座標がもう一度CTに戻り、CTでDRRを作成している。治療計画は、物理が行う。医師はターゲット入力とマージン、方向、線量等必要な項目を提示し最終チェックのみを行う。医師による計画を可能にするには、マン−マシンインターフェイスをさらに向上させる必要性があると感じた。
新しい施設を立ちあげ予定通り運用していくためには、なによりもスタッフの熱意だと思う。国立がんセンター東病院には、それを感じた。スタッフはことあるごとに院内外で会議をもち熱く語っていた。この経験を施設の立ち上げに活かしたいと思います。
-
IV 最新治療情報
(資料)放射線医学総合研究所の重粒子線がん治療臨床試行状況
- 放射線医学総合研究所では、平成6年6月から「重粒子線がん治療臨床試行」を開始し、平成11年8月までの5年の間に639例の患者さんが登録されました。これまでに登録された639例(656腫瘍)のプロトコール別・照射期別患者数は次表のとおりです。
- 重粒子線治療患者数放医
部位 |
第1期 |
第2期 |
第3期 |
第4期 |
第5期 |
第6期 |
第7期 |
第8期 |
第9期 |
第10期 |
第11期 |
合計 |
頭頸部 |
3名 |
4名 |
5名 |
5名 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
17名 |
中枢神経 |
- |
6名 |
4名 |
4名 |
1名 |
9名 |
4名 |
2名 |
2名 |
7名 |
3名 |
42名 |
肺腫瘍 |
- |
6名 |
7名 |
4名 |
11名+1 |
16名 |
4名 |
2名 |
4名 |
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54名+1 |
舌癌 |
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2名 |
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- |
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2名 |
肝細胞癌 |
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5名 |
7名 |
6名 |
7名+1 |
- |
- |
- |
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25名+1 |
前立腺癌 |
- |
- |
2名 |
7名 |
8名 |
10名 |
5名 |
3名 |
- |
- |
- |
35名 |
子宮頸癌 |
- |
- |
3名 |
6名 |
3名 |
10名 |
5名 |
4名 |
- |
- |
- |
31名 |
総合研究 |
- |
- |
8名 |
16名 |
7名 |
9名+1 |
15名 |
15名 |
8名 |
9名+2 |
16名+1 |
103名+4 |
骨・軟部 |
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- |
- |
- |
2名 |
7名 |
6名 |
7名+1 |
10名+2 |
9名+4 |
9名 |
50名+7 |
食道術前 |
- |
- |
- |
- |
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1名 |
2名 |
3名 |
1名 |
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- |
7名 |
食道根治 |
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3名 |
8名 |
1名 |
2名 |
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14名 |
頭頸部 II |
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- |
8名 |
11名 |
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19名 |
頭蓋底 |
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3名 |
3名 |
1名 |
3名 |
- |
10名 |
頭頸部 III |
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17名 |
14名 |
10名+1 |
12名 |
15名 |
68名+1 |
肝細胞癌 II |
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7名 |
12名 |
15名 |
10名+2 |
9名+1 |
53名+3 |
肺腫瘍 II |
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- |
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- |
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11名 |
11名 |
13名 |
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35名 |
子宮頸癌 II |
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- |
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2名 |
3名 |
2名 |
6名 |
13名 |
前立腺癌 II |
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2名 |
16名 |
14名 |
9名 |
41名 |
子宮腺癌 |
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2名 |
3名 |
1名 |
6名 |
肺 III |
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2名 |
2名 |
肺 IV |
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- |
- |
12名 |
12名 |
合計 |
3名 |
18名 |
34名 |
49名 |
46名+1 |
80名+2 |
71名 |
88名+1 |
84名+3 |
84名+8 |
82名+2 |
639名+17 |
-
放医研のホームページより
-
1期 |
H6.6〜8 |
7期 |
H9.4〜8 |
2期 |
H6.10〜H7.2 |
8期 |
H9.9〜H10.2 |
3期 |
H7.4〜8 |
9期 |
H10.4〜8 |
4期 |
H7.9〜H8.2 |
10期 |
H10.9〜H11.2 |
5期 |
H8.4〜8 |
11期 |
H11.4〜H11.8 |
6期 |
H8.9〜H9.2 |
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-
V トピックス
平成11年度県立粒子線治療センター(仮称)
整備委員会を開催
兵庫県では、県立粒子線治療センター(仮称)の整備上の諸課題について検討するため、医学、物理学、放射線等の専門家で構成される整備委員会を設置しています。
今年度の同委員会を平成11年11月9日に播磨科学公園都市内の建設現場で開催しました。
今回の会議では、まず施設・装置の視察の後、今後の課題である「粒子線によるがん治療ネットワークの整備」及び「治療プロトコール試案」について議論いただきました。
また、放射線医学総合研究所の辻井博彦重粒子治療センター治療・診断部長から重粒子線治療の現状について、国立がんセンター東病院の池田恢放射線部長からは陽子線治療の現状と薬事承認申請について報告をいただきました。
市川町健康づくり講座の受講生がセンターを見学
- 市川町では、町民の健康づくりへの意識を高めるため毎年健康づくり講座を開催しており、平成11年度の同講座の第1回目として県立粒子線治療センターを見学されました。
平成11年11月15日、あいにくの雨模様の中、今年度の受講生約130名は、まず先端科学技術センターホールで兵庫県健康福祉部の菱川参事から「がんと粒子線治療」と題した講演により、がんの罹患状況や治療法、粒子線治療の特性や県立粒子線治療センターの概要を学習し、講演後の質疑応答では、「たばこを止めて17年になるが、たばこの害は残っているか?」、「粒子線治療の相談窓口は?」について質問がありました。
この後、県立粒子線治療センター照射治療棟内で調整中の回転ガントリーなど、各照射室を見学されました。
学会報告
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名 称
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日本放射線腫瘍学会第12回学術大会
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第31回放医研シンポジウム
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厚生省がん研究助成金荻野班平成11年度第2回班会議
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会 期
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平成11年11月19日(金)〜21日(日)
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平成11年11月25日(木)〜26日(金) |
平成11年12月3日(金)
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会 場
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パシフィコ横浜
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放射線医学総合研究所
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後楽園会館
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内 容
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早期から進行がんまで、放射線治療の特にQOLを中心にした活発な発表が印象的であった。また、若い医師や各地の技師の参加が目立った会で、将来への期待がもたれた。 |
重粒子線治療に関する放医研の診断ならびに治療についての発表があった。現時点の放医研、重粒子線治療の全貌を知るには非常に良い会であった。
兵庫県からは、「日本における重粒子線治療施設」のセッションで「兵庫県立粒子線治療センター(仮称)」の発表を行った。 |
「荷電粒子線を用いたがん治療の臨床応用」の研究課題で、班員の先生から報告があった。 兵庫県は、開設前の準備のため、生物実験に関する報告と、どのような治療をするかの報告を行った。
全体的に活発な意見交換が行われ、この班の班員の意欲が強く感じられた。 |
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患者さんからの電話
- 最近、放射線医学総合研究所の炭素線治療や国立がんセンター東病院の陽子線治療がTVで紹介されることが多く、粒子線治療への患者さんからの問い合わせも増えてきている。
先日も、奄美大島から電話があった。
「家族が肝がんなのだが、何とかなるでしょうか。」
と言う内容で、話をしている内に、以下のことがわかった。
1)肝がんの粒子線治療は、TVの放送で知った。
2)肝がんは、直腸がんの転移で、しかもまだ直腸 がんの治療は受けていない。
3)粒子線治療センターのことは、インターネットで知った。
そこで、直腸がんの治療を至急しかるべき病院で受けるように話をした。
この電話を通じて、特に実感したのは、医療と一般との言葉の食い違いである。TVの内容は、原発性肝がんの粒子線治療と思われるが、医師が原発性肝がんと発言しても、この奄美の人は転移も含めた肝がんと理解したのだと思われる。
このことは、今後、粒子線治療センターが、一般の人への周知を図っていく上の良い参考となった。また、インターネットを多くの患者さんやその家族が利用していることが良くわかり、ホームページを充実していかなければと言う意を強くした。
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県立粒子線医療センター院長 菱川 良夫
y.hishikawa@hibmc.shingu.hyogo.jp
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