I 巻頭言
粒子線治療の国際ネットワーク化に向けて ‥‥‥‥‥‥‥‥1
(兵庫県立成人病センター総長 阿部光幸)
II 整備状況報告
照射治療棟完成 −装置の搬入・据付本格化!!− ‥‥‥2〜3
III 研修記
放射線医学総合研究所研修報告‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4〜6
IV 最新治療情報
放射線医学総合研究所の治療成績‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7
V トピック
1 フランスからの調査団来県‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8
2 大阪大学医学部学生が職場訪問‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8
3 整備委員会治療製作部会開催‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9
VI お知らせ
ホームページの更新 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9
I 粒子線治療の国際ネットワーク化に向けて
−ドイツに於ける国際放射線生物学/腫瘍学シンポジュウムの参加に際して−
- 兵庫県立成人病センター総長 阿 部 光 幸
- 本年7月15−17日、ドイツのエッセン市で“放射線腫瘍学における放射線生物学の動向”と言う国際シンポジュウムが開かれ、会長のエッセン大学C.Streffer教授の招きで出席した。同教授は私が若かりし頃、フライブルグ大学に留学した時の研究仲間で、37年来の親友である。
このシンポジュウムの狙いは放射線治療成績を放射線生物学の面から改善する方策を検討するというものである。各国の著名な放射線生物学者と放射線腫瘍医約40名が3日間に亘って、腫瘍の放射線感受性を予知する方法、正常組繊の放射線感受性を左右する遺伝的素因、腫瘍内細胞の不均一性、粒子線によるDNA切断の特徴などについて最新のデータを発表した。積み残しになった質疑応答は、湖上ボートレストランのディナーパーティーでワインを飲みながら行うという、ギリシャ時代のシンポジオンもかくやと思われる刺激的で、かつ優雅な会であった。
学会後、ドイツのGSIとスイスのPSIでそれぞれ行われている炭素イオン、陽子線治療の施設を見学した。GSIではKraft教授の説明を受けたが、1997年から今日まで42例の患者が炭素イオンで治療され、これまでのところ、特記すべき副作用も無く順調に進んでいるとの事であった。治療費は1人当たり40,000ドイツマルクとの事なので、日本円で約280万と言うところか。このGSIの経験を基にして、ドイツではハイデルベルグに炭素イオン治療施設を建設する計画が進められている。
次に、PSIではBlattmann教授に会い、眼のメラノーマの治療現場を見せてもらった。ヨーロッパ各国から患者が集まり、既に2000例を超す患者が治療され、約98%の治癒率が挙げられているそうである。眼摘せずに治癒している事は患者のQOLにとって特記すべき成果と言えよう。
両教授と2001年に治療開始予定の兵庫県粒子線治療施設とのネットワーク作りを話し合ったので、今後、国際協力の下で、粒子線治療が発展することが期待される。
II 県立粒子線治療センター(仮称) 照射治療棟完成
〜粒子線治療装置の搬入・据え付け本格化〜
-
平成9年10月に着工した照射治療棟が本年7月末に完成。平成13年度の供用開始へ向けて、今後、装置の搬入・据え付けが本格的します。
- (竣工した照射治療棟)
平成9年10月に現地工事に着手した県立粒子線治療センター(仮称)照射治療棟が本年7月末に完成し、8月1日に引き渡しを受けました。
照射治療棟は、主に粒子線治療装置を格納する建屋で、イオン源室、線形加速室、シンクロトロン室、同電源室、真空準備室、回路準備室、運転事務室、会議室等の諸室で構成されています。
また、照射室として、回転ガントリー室2室、水平照射室、水平・垂直照射室、斜め45度照射室の5室と開発照射室を備えています。
県では今後、平成13年度の供用開始へ向けて、これまで工場で製作してきた電磁石、回転ガントリー等、各機器の現地への搬入・据え付け、調整を本格的に行うこととしています。
また、今秋には、照射治療棟に隣接して50床の病室、診察室、薬剤室、検査室、管理部門等で構成される病院棟の建設に着手する予定で、全体の整備スケジュールは下表1のとおりです。
- [照射治療棟の概要]
構 造 鉄筋コンクリート造
地上4階(一部地階1階)
延面積 11,830.95u
工 期 H9.9.9〜H11.7.30(690日間)
(表1 整備スケジュール)
H7
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H8
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H9
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H10
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H11
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H12
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照射治療装置
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基本
設計
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詳細 発注・製作・機能チェック
設計
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現地搬入
据え付け
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ビーム調整
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照射棟
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基本設計
実施設計
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建 設
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病院棟
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基本設計
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実施設計
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建 設
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- 照射治療棟の諸室を紹介します。
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リニアック室前廊下
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待合いホールA
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照射操作室 |
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照射室前廊下
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照射室前廊下 |
照射室入り口 |
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開発照射室 |
建屋安全管理室
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工作室 |
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職員用入口
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職員用入口 |
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III 放射線医学総合研究所 研修報告
- 4月1日付で県立粒子線治療センター整備室に放射線技師2名が配属になり、
5月17日から約2カ月間、粒子線治療技術の習得のため放射線医学総合研究所(千葉市)で研修させていただきました。以下は、研修生2名の研修報告です。
粒子線治療の今後の課題
- 県立病院局経営課(県立粒子線治療センター整備室)
井 田 亮 二
- 平成11年4月、私と新卒技師の清水は、粒子線治療センター整備室に配属され、5月17日からの2ケ月間、放射線医学総合研究所へ研修派遣された。 研修を受けるにあたって取り急ぎ、炭素線治療の背景、機器構成、物理特性を事前に学習した。
- 【1】我々の施設は、炭素線治療では世界で4番目、炭素線と陽子線を併用する施設としては世界初であること。
【2】照射野を形成するワブラー散乱体、深度を決定するレンジシフター、腫瘍形状にビームの終端形状を一致させるボーラスがあること。
【3】ビーム効果は1次線のみで散乱線を考慮しないでよいこと。
【4】線量計を毎日、あるいは毎治療ごとに校正する必要があること。
- といった大ざっぱな知識を頭に入れて研修に向かうことになった。実践で覚える習慣が身に染みついている私には、想像もできない施設、治療である。
- ○期待と不安

放医研に着いて砂岡技師より週間予定をいただいた。予定表には19時、20時といった通常の勤務時間を大幅に超えるスケジュールが組まれていた。
予定は必ず遅れ、次の日の準備を加えるとさらに2時間程度超過し、業務終了となる。技師は当たり前のようにスケジュールをこなしていた。なかでも砂岡、石居技師は職場に住んでいるかのようにも思えた。このペースで年間250名程度の患者数と聞き、我々の施設の予定患者数との差に驚いた。
- 左:清水、右:井田(筆者)、中央はお世話になった放医研の砂岡技師さん
- ○チーム医療
月曜日の夕方5時からは、カンファレンスが行われる。参加者は、医師、技師、治療計画担当AEC(Accelarate Engineering
Company:加速器エンジニアリング株式会社)職員である。ここで治療計画が承認されるとボーラス、コリメータの発注、スケジュールへと手続きが開始される。場合によっては検査、位置づけCTなどのやり直しもある。多門照射が多いこと、対象の腫瘍が大きいこと、腫瘍の上流にエッジ効果のような分布が存在しその対処に苦慮していること、治療ビームが水平・垂直であるため患者は寝台内カプセルで傾き辛い体位での治療を余儀なくされていること。などなど臨床では様々な問題があるようだ。
- ○治療体制
治療ホールでは、1室に技師2名、AEC1名が担当し、全体3室を医師、看護各1名の11名で業務している。その他にも調整、点検、開発にAEC、物理が常時何人か詰めているため、ホール内は大勢で業務をしている印象を受けた。装置は、治療を正確に速く行うために、毎日のように研究、改良されているようだ。技師はその改良点を正確に認識し、発案していかなくてはならない。機械、電気、物理、ソフトの専門家が結集していて、開発現場の印象が強い。AECや技師がUNIXマシンを操っている姿は、私に焦りを与えた。また臨床では、砂岡技師の患者に対する接し方に感銘を受けた。患者は、長い場合は40〜50分同じ体位を続けなければならない。本日の治療の説明は、患者サイドから着目した視野で、なんでも相談できる人に成りきっている。他の技師も同じように自然と心がけている。放射線治療ではもっとも重要なことかもしれない。
- ○我々の課題
位置決めシステムは、2ミリ以下にズレを押さえることができる。このシステムをフォトンのリニアックに取り入れることができたら日本のリニアックの位置的治療精度は完璧なものになり、どれだけ有意義なことだろう。治療ホールでのAECスタッフは、線量測定、呼吸同期の管理を行う。測定に費やす時間の長さにも驚いた。放医研は簡易測定システムへの移行がおこなわれており、我々が目指しているところであるが、それでも標準測定、新患測定に3時間以上の時間をあてている。これを解決しないことには、我々が目指している治療人数は、達成できないと感じた。安定した治療ビームを常時供給し続けて測定時間を減らしていくことが重要課題である。
- 治療計画は、専任のAEC3人が医師のオーダーにより作成する。各パートを分業化、専門家しているため、そのデータの受け渡しには注意を要する。治療計画から照射管理へ、ボーラス作成へ、スケジュールへと最もデータが多く発生するところであり、それらはネットワーク化されているためミスが表面に現れにくい。治療計画は、最重要位置づけでデータ配信前に複数人で視覚的にチェックできるシステムを構築しなければと感じた。
- 固定具、ボーラス、コリメータ作成は、職人芸の域である。固定具においては、ベットに患者が横たわり絶対値で1cm以内の位置に納まる。出来上がったシェルは製品のようであった。ボーラス、コリメータ作成現場は正に町工場である。「我々の施設では、技師が作成します。」と担当の美久羅氏に説明すると、「無理です」。自信とプライドがあっさり答えをはじき出していた。「それでもやります。」とお願いすると、2日間にわたって詳しい説明をしていただけた。NC研削機など高性能機械のメンテナス、調整が技師にできるかがキーになりそうである。
- ○研修を終えて
粒子線治療センターでは、臨床でいかに多くの患者さんに粒子線を適応でき、効果をあげられるかが課題である。今回の研修で粒子線治療の実際がみえてきました。レポート、研修日誌として次年度のスタッフに資料を残せたことも大きな資産だと思います。なにより放医研の多くのスタッフと知り合えたことを力強く思います。親切にしていただいた医局の桜井さん、物理の宮原さん、AECのみなさん、そして放射線科のみなさん感謝の思いでいっぱいです。
この経験を活かして施設立ち上げに努力したいと思います。
新人技師として研修に参加して
- 県立病院局経営課(県立粒子線治療センター整備室)
清 水 勝 一
- 私はこの春、大学を卒業し、兵庫県へと就職しました。4月に診療放射線技師の国家試験に合格したばかりで、診療放射線技師として、また社会人としても未熟な私が、粒子線治療施設の整備という大きな計画に参加できるとは、夢にも思っていませんでした。
- 4月1日付で現在の部署に配属され、県庁での業務に慣れないうちに、放医研への研修が決まり、5月17日から7月9日までの約2ヶ月間の研修が始まりました。
昨年は、先輩の須賀技師が一人で放射線医学総合研究所へ研修に行きましたが、今年は、新しく県立粒子線治療センター整備室へと配属された、私と県立成人病センターから転勤してきた井田技師との二人で研修を受けました。
- ○はじめての医療現場に緊張
放医研が最初の医療現場となる私は、放医研が近づくにつれて、次第に緊張していく自分が手に取るようにわかりました。そして、放医研の正門をくぐるころには、ピークに達していました。しかし、実際に研修が始まると、重粒子線治療を行っている診
療放射線技師の方や加速器の運転業務などを行っているAECの方が、非常に親切に重粒子線治療の業務内容などについて教えて下さり、思っていたよりも早くなじんでいくことができました。放医研で重粒子線治療に携わっている人達は、若い人が多く、とても活気にあふれていました。この様な雰囲気に助けられ、早くなじんでいくことができたのかもしれません。放医研にも、私と同様、この4月に大学を卒業した診療放射線技師が重粒子線治療に配属されており、十分に業務をこなしているのを見て、私も頑張らなければと感じました。
-
放射線医学総合研究所の正門前にて
- ○研修を振り返って
今回の研修を振り返ると、終わってみたらあっという間の2ヶ月間だったなぁと感じています。今回の研修期間中には、診療放射線技師やAECの方々だけでなく、HIMAC(Heavy
Ion Medical Accelarator in Chiba)の開発などを担当している研究者の方々など、いろいろな人達とふれあい、いろいろな考えを知ることができました。放医研の皆様には、非常に意義のある研修の機会を与えていただき、大変感謝しております。
- 私たちの放医研での研修が始まった日にトキが、卵から孵りました。トキの成長していく過程と同じように、私もこれから粒子線治療に携わっていく人間としてまだ卵から孵ったばかりです。このちょっとした縁を感じるトキの雛と同じように、広く、未知の部分の多い医療という大空に飛び立っていきたいと思っています。
IV (資料)放射線医学総合研究所の重粒子線がん治療臨床試行状況
- 放射線医学総合研究所では、平成6年6月から「重粒子線がん治療臨床試行」を開始し、平成11年2月までの4年半の間に557例の患者さんが登録されました。これまでに登録された557例(572腫瘍)のプロトコール別・照射期別患者数は次表のとおりです。
重粒子線治療患者数(平成6月6月〜平成11年2月)
プロトコール(注1)部位
|
第1期
|
第2期
|
第3期
|
第4期
|
第5期
|
第6期
|
第7期
|
小計
|
第8期
|
合計
|
頭頚部
|
3
|
4
|
5
|
5
|
-
|
-
|
-
|
(17)
|
-
|
17
|
中枢神経
|
-
|
6
|
4
|
4
|
1
|
9
|
4
|
(28)
|
2
|
30
|
肺
|
-
|
6
|
7
|
4
|
11+1
|
16
|
4
|
(48)
|
2
|
50+1
|
舌
|
-
|
2
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
(2)
|
-
|
2
|
肝
|
-
|
-
|
5
|
7
|
6
|
7+1
|
-
|
(25)
|
-
|
25+1
|
前立腺
|
-
|
-
|
2
|
7
|
8
|
10
|
5
|
(32)
|
3
|
35
|
子宮
|
-
|
-
|
3
|
6
|
3
|
10
|
5
|
(27)
|
4
|
31
|
総合(注2)
|
-
|
-
|
8
|
16
|
7
|
9+1
|
15
|
(55)
|
15
|
70+1
|
骨・軟部
|
-
|
-
|
-
|
-
|
2
|
7
|
6
|
(15)
|
7+1
|
22+1
|
消化管(食道術前)
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
1
|
2
|
(3)
|
3
|
6
|
消化管(食道根治)手術非適用
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
3
|
(3)
|
8
|
11
|
頭頚部II(注3)
|
-
|
-
|
-
|
-
|
8
|
11
|
-
|
(19)
|
-
|
19
|
頭蓋底
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
3
|
(3)
|
3
|
6
|
頭頚部III(注4)
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
17
|
(17)
|
14
|
31
|
肝II(注5)
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
7
|
(7)
|
12
|
19
|
肺II(注6)
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
11
|
11
|
子宮II(注7)
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
2
|
2
|
前立腺II(注8)
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
2
|
2
|
合計
|
3
|
18
|
34
|
49
|
46+1
|
80+2
|
71
|
(301)
|
88+1
|
389+4
|
- <注:+は同一患者の2病巣治療。従って、総治療病巣数は「572」>
第1期:平成6年6月〜8月 第2期:平成6年9月〜平成7年2月
第3期:平成7年4月〜8月 第4期:平成7年9月〜平成8年2月
第5期:平成8年4月〜8月 第6期:平成8年9月〜平成9年2月
第7期:平成9年4月〜8月 第8期:平成9年9月〜平成10年2月
第9期:平成10年4月〜8月 第10期:平成10年9月〜
(放医研ホームページより)
V トピック
- 1 粒子線治療に関するフランスからの調査団来県
- フランス第2の都市リヨンでは、リヨン大学と地方自治体が中心となって、粒子線治療施設計画が今年になって起こってきた。まず、各国の粒子線治療施設の調査として、日本への調査団が、7月の最終週にやってきた。
調査団は、放射線医学研究所の重粒子線治療施設を調査し、国立がんセンター東病院の陽子線治療施設の調査後、兵庫県に来県した。7月29日、千葉から新幹線できた4人の調査団は、医師2名、医学物理士2名の元気な先生達であった。
菱川の案内で兵庫県立粒子線治療センター(仮称)を約2時間見学後、1時間ほど情報交換を行った。兵庫県の施設は、強く印象づけたようで、特に患者さんに関係する治療ホールの明るい雰囲気は非常に気に入られたようである。
リヨンで考えられている粒子線治療施設は、兵庫県とよく似た施設で、医療を中心とした施設である。今年中に、ドイツのGSIと米国のロマリンダに調査団を派遣し、今回の調査と併せて検討し、来年には、方針を決める予定である。彼らの計画では、炭素治療を考えており、兵庫県で治療が開始されたら、是非もう一度見学に来たいとのことであった。また、医師の1人は、6カ月ほど勉強に来たいので、受け入れなどを検討して欲しいとのことであった。
(菱川良夫)
-
-
フランス リヨン市からの粒子線治療施設調査団
(回転ガントリーの前で)
左から Sandro ROSSI氏(医学物理士)
Dominique SAPPEY-MARINIER博士(医学物理士)、菱川良夫(兵庫県)、
Jacques BALOSSO博士(放射線腫瘍医)、Pascal POMMIER氏(放射線腫瘍医)
2 大阪大学医学部保健学科学生が職場訪問
- 兵庫県健康福祉部の菱川参事が大阪大学医学部保健学科で「粒子線治療」について講義を行ったことで、多くの学生が粒子線治療に興味を抱いた。大阪大学医学部の手島教官より就職活動の一環としての職場訪問の依頼があり、以下の項目で県立粒子線治療センター整備室の状況を説明した。
- ○日 時 平成11年5月13日
(県庁西館4FB室)
○訪問者(敬称略)
手島教官、男子学生(西田、崎村、森)、
女子学生(岡本、宮地、金原、中村、岩田) (内3名は修士2年)
○説明概要
1)粒子線治療(総論)
2)照射治療棟及び病院棟の機能
3)粒子線治療における放射線技師の役割
4)採用試験説明
5)質疑応答
- 約1時間の説明後、質疑応答を行った。学生からは、【1】安全管理に対する質問、【2】化学療法併用の治療を行うか、【3】病院情報システムへの質問など多くの質問が出た。放射線技師の採用は兵庫県ホームページで詳しく記載されています。今回訪問いただいた学生から一人でも多くの学生が粒子線治療センターへ採用される事を期待する所です。訪問後、メールを利用してのお礼や質問が寄せられた。
(須賀大作)
- 3 治療装置製作部会を開催
- 兵庫県では、粒子線治療センター(仮称)の整備上の諸課題について検討するため、医学、物理、医療経済等の専門家で構成される県立粒子線治療センター(仮称)整備委員会を設け整備を推進しています。
また、専門事項を協議するため整備委員会のもとには、治療装置製作部会と臨床治療部会を設置しています。
- 平成11年7月1日(木)〜2日(金)には、今年度、第1回目となる治療装置製作部会を建設現場である播磨科学公園都市で開催しました。
部会では、まず粒子線治療装置の搬入、据え付け状況の視察、今後の計画についての説明のあと、諸課題の検討をいただきました。
委員からは、装置調整上の留意点や検収方法、治療計画などについて助言、指導をいただきました。
VI お知らせ
- ホームページを更新しました
兵庫県立粒子線治療センター(仮称)のインターネットホームページを5月に更新しました。
これまでに発行したニュースレターや現場写真を掲載するなど、内容を充実していますので、是非、一度アスセスしてみて下さい。
当ニュースレターに関するお問い合わせは、下記までお願いします。
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